子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)
+子宮内膜症とは?
子宮内膜症とは、子宮の中だけにあるはずの子宮内膜が、子宮以外の場所にできてしまう病気です。
子宮内膜は、妊娠しない場合、はがれ落ちて出血となり、生理となります。
子宮内膜症では、子宮の外側で出血を起こします。
そのため、子宮内膜はうまく排出できず体内に溜まり、これが様々な症状を起こす原因となります。
また子宮内膜は、受精卵が着床する赤ちゃんのベッドの役割を持っているため、子宮内膜症は不妊症の原因の1つとなっています。
+子宮内膜症が起こる原因
今、月経のある女性の10人に1人が子宮内膜症と言われています。
子宮内膜症になる原因はいろいろな説がありますが、はっきりとはわかっていません。
ただ年々増加の傾向にあることから、現代病と言われています。
女性の晩婚化や少子化、ダイオキシンなどの環境ホルモンの影響などがあげられます。
また、ストレスや生活習慣、食生活の欧米化なども原因の1つではないかとも言われています。(生活習慣病の1つという説も)
最近の研究では、糖尿病や動脈硬化を防ぐタンパク質アディポネクチンが、子宮内膜症の予防の効果もあることがわかりました。
子宮内膜症の患者はそうでない人に比べ、血中のアディポネクチンが2割程低いそうです。
このようなことからも、生活習慣の改善により子宮内膜症は予防できるとも考えられています。
さらに最近、子宮内膜症はアレルギー反応という説もあります。
抗アレルギー剤の服用で症状が改善したケースもあるようです。
+子宮内膜症の症状
子宮内膜症の症状として下記のようなものがあります。
・ひどい生理痛(年々痛みが酷くなる、鎮痛剤をのまないといれない、など)
・月経過多(生理が10日以上続く、量が多い)
・月経時に血の塊が出る
・性交痛
・月経時以外の下腹部や腰の痛み
・不妊
症状があてはまるようなら、1度検査を受けてみましょう。
子宮内膜症は、年数が経過するほど症状が酷くなります。
早めに検査をうけることをオススメします。
+子宮内膜症と不妊症の関係
子宮内膜症は不妊症の原因であると書きましたが、「子宮内膜症=不妊症」ではありません。
子宮内膜症でも、妊娠・出産をしている方はたくさんいます。
ただ、不妊症の方の半数は子宮内膜症といわれるほど、不妊症の原因としては多い病気です。
+子宮内膜症の検査
子宮内膜症と診断するには、いくつかの検査が必要です。
検査方法はいくつかあり、総合的な判断となることが多いようです。
・内診、エコー(超音波)
・MRI、CTによる精密検査
・血液検査
・腹腔鏡検査
ほとんどの場合、内診やエコーによる診断が多いですが、その正確度は100%ではなく、子宮内膜症と診断されてもそうでないケースもあるようです。
正確な診断をくだすには腹腔鏡検査が必要となりますが、全身麻酔を行うリスクもある検査となるため、必要な場合のみとなります。
+子宮内膜症の治療方法
軽症であれば、生活習慣の改善や漢方療法などで良くなることもあります。
現代女性は、家庭を持ちながら仕事をしたり、とてもストレスの多い生活をしています。
忙しい分、手軽な外食・インスタント食品などに頼り、動物性の脂肪の多い食事になりがちで、魚・野菜などが不足している方がとても多いです。
魚に含まれるEPAは、子宮内膜症に良いといわれています。
和食を心がけ、動物性脂肪や甘いもの、アルコールなどの摂りすぎに気をつけます。
また、冷え性なども子宮内膜症を悪化させる原因です。
夏でも冷たいものを摂り過ぎない、湯船につかったり、冷房をかけすぎないなど、体を冷やさないことが大事です。
【漢方療法】
子宮内膜症に良いといわれる漢方がいくつかあります。
月経時の出血が多い、月経痛がひどい、下腹部の張りがある
→
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
冷え性、むくみ、疲労感がある
→
加味逍遥散(かみしょうようさん)

イライラ、不安感、食欲減退
→
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
このように体質や症状に合わせて、医師と相談し服用しましょう。
【薬物療法】
症状が強い場合には、鎮痛剤で痛みを抑えたり、ホルモン剤によって生理を止めるなどの対処をします。
子供を望まない場合などは、この方法をとることが多いです。
薬物療法にもいくつか種類があります。
≪偽妊娠療法≫低用量ピル
低用量ピルより妊娠したような状態を作り、生理を止めます。
副作用が少ないことから長期使用も可能ですが、まれに重い副作用もあることから定期的な検査などは必要です。
≪偽閉経療法≫GnRHアゴニスト、ダナゾール
ホルモン剤で閉経したような状態にして、生理を止めます。
副作用が多いことから、短期間での使用となります。
【手術療法】
子宮内膜症の根本治療は、手術療法のみといわれます。
≪腹腔鏡手術≫
お腹に小さな穴をあけて行う手術法です。
開腹手術に比べてお腹を切らずに済むので、術後の痛みが少ない、傷が小さい、入院期間も短いなどのメリットがあります。
現在の子宮内膜症の手術は、腹腔鏡手術が主流といわれます。
しかし、視野が限られた手術となるため、癒着を取りきれない場合などがあります。
不完全なままでは、手術後にすぐ再発というケースもあります。
そのためこの手術を受ける際には、病院選びと腹腔鏡手術の技量をもった医師と出会うことが重要です。
≪開腹手術≫
腹腔鏡手術では取り除けない可能性がある場合、子宮摘出などの場合には、開腹手術となります。
いずれの方法にしても、その人の状況や症状などによって、子宮内膜症の治療方法は変わってきます。
子宮内膜症は長くつきあうことが多い病気です。
まず、よい病院・先生を見つけて医師と相談しながらの治療をしていくことが大切です。
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子宮内膜症とどうつきあったらよいか?
医療の現状や病気の正体、診断と治療について。
日本子宮内膜症協会が子宮内膜症の患者から得た情報をもとに、世界の最新医学・医療情報と照らしあわせて論を展開している本です。
子宮内膜症と診断されたら一読されることをオススメします。 |
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